2016年06月28日

WRXはなんでセダンだけしかないのかー

  なんでWRX・STIのボデーはセダンだけなのでしょうか? 長年のライバルだったランエボも今は無く、気がつけば世界に例を見ない「4ドアセダン型AWDスポーツ」という「謎」のジャンルを単独で突き進んでいます。世界が羨むBRZのようなスペシャルティなボデーもあるのに、なんで古典的なスポーティセダンのスタイルを守るのか?「実用性を兼ね備えるため・・・」ははは、ご冗談ですよね・・・ビルシュタイン&ブレンボ装備でアイサイト無し!!!しかもボデーカラーはブルーのみ!!!家族でニコニコ乗ってるSTIなんか見た事ないぞ!!!

  日本を代表する伝統のスポーツカーといえば日産のフェアレディZでしょうか。初代の発売は1967年ですが、その原型となるモデルはさらに15年も遡る1952年に「ダットサン・スポーツ」としてその原型が登場しています。古さだけなら1950年に生産が始まったポルシェの初代モデル(356)にほぼ匹敵します。残念ながらフェアレディZには中断期間があるのですが・・・。

  ポルシェや日産と比べると、「インプレッサWRX」の歩みはまだまだせいぜい20年そこそこに過ぎないです。1992年に登場したインプレッサにWRXが設定されたのが翌年の1993年のことですが、当時はGTOやらNSXやらが盛り上がっている中で、「堅実で速いクルマを地道に作り続ける」というコンセプトは、日本人の気質にとても合っていたようで、ファンは着実に増え続けています。1993年の当時に30歳だった人でも、まだまだ50歳代前半で購買力も相当にあるはずですから、ファンを大事にしてきたスバルの戦略が現在の好調さに少なからず結びついている気がします。

  あまり伝統に縛られるのは是としないのがスバルで、そのためか車名もコロコロと変わります。「STi」なのか「STI」なのか「インプレッサWRX」なのか「インプレッサSTi」なのか「WRX-STI」なのか・・・世代によってかなり使われる名称も違います。たまに話が通じないヤツが出て来るとちょっと面倒ですが・・・。

  スバルがそんなファンを非常に大切にしていることを示す逸話があります。2007年に3代目「インプレッサWRX」が登場した時に、思い切ってセダンを廃止して欧州式ハッチバックをベースとしたいわゆる「ホットハッチ」路線での展開を狙ったことがありました。従来のユーザーからは相当な反発があったようです。「なんで三菱も日産も3BOXボデーで作っているのに!スバルはハッチバックなんだ!」「三菱や日産とは勝負しても勝ち目がないってことか!」

  この2007年はWRXの発売時期としては最悪で、その存在が最も危ぶまれた時期だったようです。ライバルのランエボは、ユーザを広げる為にゲトラグ製DCTを採用し、大きな話題を引っさげて「AWDスーパースポーツ」の決定版として登場した日産GT-Rも愛知工業製のDCTを特注で用意するなど、AWDスポーツのライバルが2ペダルで話題になりました。「MTでは制御が無理な領域に入った!」 これに対してWRXはMTのみで欧州市場を目指してのホットハッチへの転身を意図したようですが、国内のファンはこれに懐疑の目を向けました。

  「WRXはゴルフGTIではない!!!セダンボデーにプライドを持て!!!」大抵のメーカーならば一度決めた方針をそう簡単には覆さないでしょうけども、スバルはこのファンにリアクションに即座に反応してセダンボデーのWRXを追加投入して復活させました。「ファンの声」が伝わる「俺たちのスバル」の一体感が見事に結実したのは、すぐに行動に移ったスバルも人情味を感じる対応によるところが大きかったようです。

  欧州でいろいろなメーカーから出されている「横置きFF」によるホットハッチは確かに魅力的に映ります。日本メーカーもホンダ、スズキ、マツダなどが参戦してます。しかしWRXの設計は縦置きエンジンのAWDで、しかも水平対抗エンジンまで使っているわけです。それだけの凝ったユニットを使っておいて、低コストで手軽なFFホットハッチの市場に参入しようとするのが、そもそもの間違えの元・・・。どっかのドイツメーカーは縦置きFRに直列6気筒エンジンという勘違いホットハッチを売ってますけど販売はさっぱりです(やたら個性的と絶賛されてますけど・・・不人気)。

  スバルとファンの絆の中でWRXというモデルの「イディア」が形成されて、それはもちろん「M3」や「C63AMG」とも違うし、「ゴルフGTI」や「シビックtypeR」とも違う、「スバルWRX」というジャンルの孤高のスポーツモデルになりました。これって・・・そうです!!!60年以上の年月をかけて「ポルシェ911」という孤高のジャンルが確立されましたが、そんなドイツ自動車産業のレジェンドに対抗するようなモデルが、日本の群馬県で作られ続けているわけですね・・・。

  若いユーザーが運転していることも非常に多く見かけるWRXですが、これから10年20年の月日を「孤高」のままに突き進んだならば、2007年の「あの時」がこのクルマにとっての非常に重要な「転換点」であり、スバルを愛するファンによってメーカーが誤った道を進むことがなかった!!!そしてランエボよりもGT-Rよりも日本のスポーツカーユーザーに愛されるモデルへと成長した!!などと後世に伝えられる美談として尾ひれ羽ひれが付けられて語り継がれることになりそうです。


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posted by のっち at 02:19| Comment(0) | WRX STI | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月17日

ラリーからGT選手権!? スバル漂流。

  「スバルはSUV販売台数NO.1」・・・これは2013年1〜12月の国内販売を元にした当時のスバルの宣伝文句です。今更に蒸し返すのはちょっと可哀相な気もしますが、2013年のフォレスター、XV、アウトバックの販売は6万台少々で月5000台くらいで堂々の国内トップでした。それからたったの2年で状況は大きく変わりました。その後に発売されたヴェゼルやハスラーがそれぞれ年間10万台越えの大ヒットで今も快走を続けています。さらにマツダも日産もそれぞれに年間6万台を越える水準です。ちょっと出遅れたのがトヨタですが、利益率の高いレクサスと合わせればやはり年間6万台くらいはあります。

  SUVが大人気!!!であることはハッキリしているのですが、国内の自動車販売台数はかなり待ったなし!の縮小気味なので、このSUVの拡大分は一体どのジャンルから流れてくるのでしょうか?・・・とはいっても2000年代の国内市場でまともに売れていたクルマなんてコンパクトカーかミニバンだけですから、奪えるシェアは、やはりアクアやアルファードくらいしかない。・・・ということは、ここ数年の間カーメディアやクルマ好きな人々が大合唱してきた!!!「燃費だけのコンパクトカーや走りがつまらないミニバンはNO!!!」と言い続けてきた成果がちょっとは出て来ているわけですね〜!!!(代わりにSUVが売れるのは・・・)

  トヨタも新型シエンタやカローラの華麗な復活(HV導入)があって車種が分散しただけで、決してやられっぱなしというわけではないです。トヨタの内部でも売れる車種が、コンスタントに変わることで、次に出て来るモデルの開発担当者にとってはよい刺激になるでしょう(出世のチャンスだ!!!)。スバルもSUVにあまり執着せずに、新たなスター候補として「レヴォーグ」を生みました。一皮むけた感のある洗練されたデザインと専用のダウンサイジングターボを用意(FB16DITはレヴォーグしか使わないの!?)。スバルらしい手法でこのモデルを育てていくぞ!!!という気概を存分に感じます。

  SUVブームが来る前はスバルがトップシェアだったけども、今ではフェードアウト気味・・・アウトバック、フォレスター、XVのSUV3兄弟にエクシーガも合わせて絶賛発売中ですけども、スバルのラインナップの中ではこの先の展開が見えないドン詰まりな感じも(なんだかんだで4車種もあんのか!)。これがスバルのさじ加減なんだ!!!と言ってしまえばそれまで!なんですけども、ブームに火を付けて、過当競争気味になって儲からなくなったらさっさとおさらば!!!さすがは利益「率」2ケタのメーカーです。

  スバルの次なる戦略は・・・誰も相手にしてくれないですけども、BMWに勝つこと!!!クルマじゃ負けてないですし、その根拠の一つとして利益率はBMWをすでに越えていて、はるかに少量生産のポルシェを抜かせば「クオリティカー・ブランド」ではナンバー1なんですが、グローバルの販売台数がまだ負けています。「もうスバルには勝てない・・・」と言わせるまでやりきるだけですね。シャシー&ボデー設計、AWDシステム、水平対抗エンジンなどなどコンテンツはすでにかなり揃っていますけども、スバルにはどうしてもBMWに勝たなければいけない理由があるんです。

  スバルと一緒に「86」を作りましたが、今度はBMWと一緒に「スープラ」を開発中のトヨタにとって、「スバルとBMW・・・組むならどっちだ!?」という綱引きに勝つ必要がありますね・・・。トヨタの資本関係は多岐に渡っていて、ライバルはBMWだけではないです。包括的な協業が進展中のマツダ。米国政府主導で手を結んだテスラ。系列サプライヤー(デンソー)を通じて関係を深めるボルボ。長くエンジンを供給しているロータス。などトヨタとの関係が進展することを望んでいる(エンジェル待ち)のブランドはたくさんあります。

  テスラやロータスは専門外なので、スバルにとってはあまり影響はないでしょうけども、BMW、マツダ、ボルボとのマッチアップはいろいろしんどいですね。水平対抗が載った「86」に、ストレート6が載った「スープラ」・・・さらにスカイアクティブDが載ったマジェスタ?なんかは実現しそうですけど、ロータリーが載ったトヨタのスポーツカーまでは・・・?「AREA86」でこれらが全て売られていて試乗できたら愉しいかも・・・。

  オーストラリアで86のクロスオーバー版が披露されたので、スバルは新たな「スペシャルティカー」の開発・生産をトヨタからすでに受注しているのかもしれないです。スバリストから異端視されているBRZにしても、スバルにとってはまんざらでもないようで、やっと獲得したFRシャシーですから、大事に使っていくようですね。BMWに勝つためにはやはりFRで勝負しなければ・・・マツダも同じことを考えているようですが。


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ラベル:スバルBRZ
posted by のっち at 00:00| Comment(0) | スバル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月07日

今のスバルの原点がここにある!!!名車ジャスティを復活させよう!!!

  最近の小型車は「危機感」があっていいですね。軽自動車全盛の中で、存在感を具体的にどのようにアピールしていくのか?という課題に真剣に立ち向かってます。もちろんそんな想いが全く届かずに、あいかわらず「日本車はダメだな〜」とか言っている人も中にはいるでしょう。そういう人は小さいクルマや日本車をバカにすることだけが生き甲斐だったりしますから、思いっきり無視しておけばいいです・・・。

  多くの自動車ユーザーに「お!?」と思わせることには成功しているものの、そこから先は・・・やっぱりコスト面での制約がきつい小型車ですから、結局のところ購入に至るハードルこそ低いものの、決断は「使い道」次第ということになります。そこで!!!もし小型車にBMWのエンジンが載っていたら!!!・・・それっていわゆる「ミニ」ですよね? そこで!!!スバルの水平対抗が載っていたら!!!ちょっとワクワクしませんか?小型ボデーに縦置きエンジンは不可能ということで、スバルのラインナップからBセグは削除されていますが、インプレッサを5%くらい凝縮させた「走りのクルマ」があってもよさそうです。

  スバルが1984年に発売したジャスティは、当時のBセグサイズ(軽規格より一回り大きい程度)ながらも4輪独立懸架(4輪ストラット)という常識離れした豪華なサスを使用。もはやこれを収納するだけでキャビン後方もボンネットも容量がいっぱいいっぱいですけども、当時はライバルも多く、日産マーチやダイハツシャレードなどが既に大ヒット中でしたから、後発ゆえに腹をくくったスバルらしさを追求した結果だったようです。

  「リッターカー」としては最後発だった為に、デビューした1984年2月の段階では、既存ライバルはすでに差別化戦略に撃って出ていて高性能モデルがなかなかヤバいです!!! 「ホンダ・シティターボU」に至っては700kgのボデーに、1.2Lターボで110psですからねー。完全にスポーツカーのスペックですね。エンジンは30年後のVWのユニットと同等の出力ですよ・・・。そして「ダイハツ・シャレード・デトマソターボ」は名前にあるとおりイタリアの名門デトマソ(当時は経営難でした)にエンジンチューニングを発注したモデルです。現行モデルで再現するならダイハツ・ブーン(トヨタ・パッソ)のチューニングをマラネロ(フェラーリのファクトリー)に頼むみたいなものでしょうか・・・そんな過激なクルマを免許取って間もないガキが乗り回せる124万円で売っていたクレイジーな日本の80’sです。そりゃドリキンみたいなタレントも生まれるよなー。

シャレード・デトマソの走りの動画

  とりあえず1984年という年はスバルにとっては大きな転換点だったようで、この「ジャスティ」と「レオーネ・ステーションワゴン」が登場することにより、スバルが「サンバー(業務用多目的)」「レオーネ(典型的な乗用車)」「レックス(典型的な軽)」というミニマムなラインナップ(派生は多い)から、ブランドの「個性」を主張する存在へと代わりました。これまでは価格で他と比べられるだけだったのに対して、どのライバル車よりもフラットな乗り心地の「ジャスティ」と、これまでにない優雅で実用的な「レオーネSW」が、ユーザーから指名買いされるメーカーになったわけです。

  ジャスティの実質的な後継モデルとなったインプレッサは、WRC参戦を通じてスバルをさらに高い領域まで引っぱり上げた類い稀なる存在です。それはとても良くわかっているのですが、WRXがインプレッサから切り離されてターボ専用モデルとしてレヴォーグと共通で開発されるようになった今となっては、インプレッサは「中途半端」な大きさで「中途半端」な重さだな〜・・・と。クロスオーバーモデル(XVやフォレスター)のベース車としては都合がいいのかもしれないですけどね。

  というわけで、冒頭の「インプレッサを5%凝縮させる」に戻って、ジャスティが復活を期待するわけです。WRXが存続する以上はインプレッサに「GTカー的」な発展の可能性は全く無いわけですからつまんない!!! あとは新型プラットフォームになってトヨタのハイブリッドでも積んで・・・いよいよスバルブランドによる「プリウス」的存在となっていくだけの運命です(それも立派な使命ですけどね)。

  そこでトヨタが持て余し気味なヴィッツの開発をスバルに任せろ!!!なんてことになれば面白そうですね。パッソはダイハツ、ヴィッツはスバルの開発でトヨタ同士のガチンコ対決がにわかに勃発し、ネッツ店とカローラ店で再び因縁の対決が!!!2001年発売のトヨタの知られざる名車「アレックス(ネッツ)」VS「カローラランクス(カローラ)」の戦いが再び!?どちらも薄利多売のディーラーさんですから、自宅や実家のある東京西部で見る限りはかなり激しい潰し合いが展開されてます。実家で世話になっていた西東京カローラが数年前に廃業したので、母親はちょっと遠くまで車検に出掛けてます。

  米国で順調すぎるスバルにとって、今の所はBセグ開発はなかなかメリットが見出せないとは思いますが、ここ数年で北米の市場環境は変わっていて、比較的に大きなシェアを持つ、ホンダ、日産、フォード、ヒュンダイ、トヨタ、シボレーといった、スバルの前に立ちはだかるライバルは全てBセグを15000ドル以下で用意しています。マツダもメキシコ工場の稼働とともにデミオを流入させる見込みで、さらにはセダン版をトヨタに「ヴィッツセダン」としてOEM供給する契約になっているとか・・・。スバルも北米でのEV展開を考えるならば、転用がしやすいBセグを持っていてもいいのでは?新型プラットフォームのホイールベースを詰めてでもぜひぜひ「ジャスティ」の復活を!そしてWRCの復帰も検討してもらいたいですね・・・。

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posted by のっち at 04:18| Comment(0) | ジャスティ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする