Bセグ(コンパクト)とEセグ(フルサイズ)は作らない。その間の狭い領域だけで勝負する世界で唯一のメーカーになることをスバルは宣言しています。Cセグ(インプレッサ)、CDセグ(レヴォーグ)、DEセグ(レガシィ)の3グレード制ではありますが、競合するマツダ・アテンザにはレヴォーグ&レガシィB4の2台で対抗します。それで優位に戦えているかと言えば、どうでしょうか・・・ディーゼルで攻勢をかけるマツダ相手ですから善戦といってもいいかもしれません。
特にデビュー以来八面六臂の活躍で、スバルの日本販売を支えてきたレヴォーグは、本来マツダ・スバルに望まれている「GTカー」としての高い適性を備えていて、それをCDセグのサイズで出したことは素晴らしいことです。英国では1.6L車に2万7500ポンド(500万円!)の価格が付けられていて、ほぼBMW3シリーズと同じ価格にもかかわらず「非常にいいクルマだ!」と辛口カーメディアから賞賛を受けています。ただしネーミングセンスがまるでない!とも言われてますが・・・。
欧州で成功した「GTカー」設計の日本車は、これまでにもいくつかありました。「ユーロR」が設定された6代目アコードや、トヨタ・アルテッツァ、マツダ626、マツダ・アテンザなどがありますけども、やはりスバルといえばレガシィ・ステーションワゴンですね。ワゴンの世界最速記録を次々と打ち立てました。欧州からもレガシィSWを潰せ!とばかりに「アウディRS4アバント」というモンスターワゴンが登場したりしました・・・。「アウトウニオン」と「中島飛行機」の直接対決!あるいは「三菱」エボワゴンも参戦!なんて煽りも当時はあったようです。
レヴォーグで欧州や日本に残る「GTワゴン」需要を拾うという企画は、非常に素晴らしいものだったと思いますし、日本で「Cワゴン」や「3ツーリング」を見事に駆逐したように、欧州でも大暴れして再び「GTワゴン」というジャンルに火をつけることができればいいですね。また北米向けの「クルーズカー」として開発されているアウトバックとB4のレガシィ2車種は、アメリカ人が好む?「動くリビング」を目指して内装を中心とした装備の充実を目指しているのがよくわかります。
日本においてなかなか正しい評価が貰えていない歯痒い状況のスバルの現行モデルですが、「使い道」さえしっかり理解して選べばかなり良いお買い物になるはずです。嘆かわしいことに、最近は「クルマ」と「オモチャ」の区別がつかない大人が多くなっているとか・・・。GTカー=クルマで、スポーツカー=オモチャですよ!とか言ってみてもピンとくる大人が少ない。5時間以上乗っても大丈夫なのが「GTカー」で、2時間以上乗りたくないのが「スポーツカー」・・・これが私なりの判断基準です。・・・「WRX S4」で5時間耐えられますか? まあなんとか。
レヴォーグは「GTカー」、レガシィは「クルーズカー」・・・それじゃあインプレッサは? スバルのブランド内では「ウェアラブル・カー」に分類されるのかな。近距離の買い物・送迎・100km圏内のドライブで使う「下駄カー」ですね。それでも「スバル」のウェアラブルカーですから、トヨタやホンダのそれとは全然クオリティが違う!!!BMWやメルセデスのウェアラブルカーと同水準の高級品です!(BMWやメルセデスにはマイクロサイズのi3やスマートがあるけど)。
レヴォーグやレガシィで着実にクルマの用途を意識した成長を見せたスバルですから、新しいインプレッサでも「究極のウエアラブル・カー」を意識した新機軸の装備が付くはずです。一口に言ってもこのクラスのクルマに与えられている付加価値は多岐に渡ります。
@燃費・・・ストロングHVを装備したプリウス、アクア、フィットHVなど。
A運転感覚・・・MT車を用意アクセラ、インプレッサ、オーリス、ゴルフGTI、スイスポ、DS3など
B個性的デザイン・・・キューブ、ミニ、ザビートル、フィアット500
Cオープンエア・・・ゴルフ、ザビートル、TT、2シリーズクーペ、DS3、フィアット500、ミニなど
Dクロスオーバー化・・・ジューク、CX3、キャプチャー、X1など
これまでのスバルではあまり強調されてこなかったB、C辺りに踏み込んだりすれば、思わぬ大ヒットにつながるかも!と無責任なことを考えてしまいます。BRZのオープン化にも否定的なスバルだから「無い」かな・・・。スバルにとって「個性的デザイン」で「オープンエア」には忘れられないトラウマがあるようでして、そのクルマとは「ヴィヴィオTトップ」といいます。1993年にスバルの創立40周年を記念して3000台限定で発売されたレアなモデルです。先日も700万円近くするS207をたった1日で400台完売させたスバルですから、このヴィヴィオTトップも半月くらいで完売かと思いきや・・・半年経ってもかなり売れ残ったそうです。価格は113万円だったのに〜・・・。
新型インプレッサが、この「黒歴史」を乗り越えてBCをまとったスペシャルティで女子ウケ抜群で、日産の中村さんもビックリの「かわいい」系インプレッサに大変身!!!そんなドラスティックな展開になったならば・・・。インプレッサ派生のクロスオーバー「XV」は、ホイールデザインが鮮烈でブランド内では異色の「オシャレ」系でしたから、可能性はゼロではない!? 今のスバルならば・・・スモーキー・ローズピンクのメタリックなボデーカラーに、コンプリートカーのような色違いのアクセントパーツを配し、スバル自社開発の電動ターボと揶揄されるHVシステムに、まさかのMTを組み合わせ、「XV」のミディアムな車高のボデーに、タルガトップのパネル収納式ルーフを備えた・・・そんなクルマが期待できないこともないです。意外とアクティブな女性ユーザーから支持されるスバルですから、これらをスマートにやり遂げればいよいよ日本でも「一皮むける」のではないでしょうか? そしてスバルの理念に忠実に・・・他のブランドに対して「ウェアラブルカーの正常進化」を教唆する素晴らしいモデルになるでしょう!?
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