2016年03月31日

レヴォーグの特別仕様車「S-style」・・・300万円ポッキリでベストな選択肢か!?

  スバル車の魅力を一言で語るとすれば「さりげなく」ですよね!? 近頃ではM社を筆頭にT社もH社もN社も国産車の花形モデルはひたすらに「デコる」のが流行りになっていて、どれもこれもノーズが長くて、サイドにラインをうねらせればそれで「グッドルッキン」だと勘違いしてやがる!もう最悪だ!と福野大先生が「MFI」の看板コーナーで怒りを露にされてました。もちろん特定メーカーを名指ししているわけではないですが、確かに日本メーカーの多くが該当します。さらにドイツの名門「M」ブランドもかなりこの傾向がつよい気がします・・・。超一流の評論家にそこまでいわれると、そういうデザインを街中で見かけるたびにバカっぽいと感じてしまいます。

  それとはほぼ対極に位置する?「自然体」デザインを標榜しているブランドとして、スバル、ボルボそしてアウディなどがありますが、ちょっと奥ゆかしいイメージがあるブランドは例外なく高価格帯のモデルが苦戦しています(スバルS207やアウディR8は例外)。「自然体デザイン」に「ごくごく平凡なスペック」のモデルなのにスバルで400万円あるいはボルボ、アウディで600万円なんて価格が付けられてますが・・・これはユーザーにとってはとても悩ましいところです。

  端正な顔つきに加えて、サイドのシルエットもワゴンとしては「世界最良」といえるぐらいに優美で知的・・・レヴォーグはいいですね。このクルマはスバルが完全に一皮むけたぞ!と感じさせてくれる「何か」があります。「華」があるのですが、「鼻」につくわけでなく、「さりげなく」を見事に体現しています。1989年に登場してすぐさまスバルの看板モデルに成長した「レガシィ・ステーションワゴン」シリーズを、再び現代風にリファインして2014年の初頭に登場しました。それに先立つ2013年の東京MSでプロトモデルが公開されて、スバルブース新型モデル「4er」が展示された隣接するBMWブースよりも圧倒的な盛り上がりでした。

  スバルがBMWを越えた!というより、BMWのブームが去った・・・が適切なんでしょうけど、スバルブースに集った熱烈ファンの顔ぶれを見た限りではなかなか若い!ダンスフロアの演出に、見渡す限りクルマ好きな輩がぎっしりで熱気が凄かった・・・・お目当てのクルマは遠くからでも見えるようにクレーンアームに乗せられてました。メーカー側も客が殺到するのを事前に掴んでいての舞台装置だったのでしょう・・・ということはフロアで踊り狂っていた輩はみんな「サクラ」だったのか?

  その一方で昭和な展示でまったくパッとしない側面しか見られなかったのが日産ブースのスカイラインのプロトでした。側面ウインドーがそんなに大きかったら「高級車」のイメージは半減だな〜・・・と失望したのを覚えています。観客もまばらでとても見やすかった・・・。実際に乗ってみるとスカイラインの方がワンランクもツーランクも上で非常に質の高い乗り味なんですけども、「時代は完全にレヴォーグ」BMW4er、レクサスRC、スカイラインを押し退けて主役の座についてました。正確に言うとホンダS660というもう一方のスター候補の展示も大熱狂でしたが・・・。

  その熱狂が示す通りにレヴォーグは発売以来よく売れました。その一方で福野さんが懸念していたように、デザイナーが暴走したわけではないでしょうが、ブランドの方向性?かRC、4er、スカイラインは見れば見るほどに腑に落ちないですし、もちろん価格もレヴォーグとはかなり違っていることもありますが、クルマ雑誌が煽るような「激戦区」などではなく、全く販売が伸びない「谷間」の市場になってます。マセラティ・ギブリやポルシェ・マカンがそこそこ好調なことを考えたら「やられた」感があるかも。

  レヴォーグによってマーケティングによる完全勝利を遂げたスバルですが、熱狂が一段落したところで「新プラットフォーム」を発表して次世代製品群への期待を煽る「ティザー戦略」を発動しています。それと同時にそれならば次を待とうか・・・という潜在ユーザーの心を揺さぶるかのように昨年の12月に3車種同時に特別仕様車が発表されました。レヴォーグに追加されたのが「S-style」というグレードで、1.6Lターボ車にレザーシート付けて291万円!アドバンスセーフティパッケージが付いて302万円。プリウスをレザーシートのプレミアムバージョンで買うよりはるかに安いし、アテンザワゴンにレザーシートを選ぶにしても最も安くて317万円〜ですから、なんとも絶妙な価格設定になってます。ちなみに従来の1.6Lターボのセーフティパッケージにレザーシートのセットオプション(30万円)を組むと330万円!やはり「S-style」はかなりお買い得です。それにしてもプリウスやアテンザなどライバル関係をかなり意識していることを伺わせます。

  トヨタ、ホンダ、スズキが競争を繰り広げる実用&低価格なファミリーユース車には見向きもしないけど、レクサス、メルセデス、BMW、ジャガーなどによる「ガチ・プレミアム」に手を出すのはお金が勿体ない・・・そんなジレンマを抱えたユーザ層が、マツダ・スバル・ルノー・ジープなどに触手を伸ばしているようで、前年実績を上回るブランドがそこそこ出てきています。その市場に「走り」と「質感」がかなり良くなった4代目プリウスが殴り込みをかけてきて、スバルも慌てての「特別グレードの設定」になったようです。

  ファミリーカーなのに300万円前後の強気な「スパーダ」シリーズを投入した、ホンダのステップワゴンがまさかの大炎上・・・。しかし400万円の力作「オデッセイHVアブソルート」は受注が殺到。ホンダも車種ごとに販売が大きく偏っているようで、社内の開発者も「当たり」車種の担当になるかどうかで出世に大きく影響するのかな? BMWの1er&2erもそうですが直3ターボ(軽自動車か?)で300万円台のマツダ・スバルに対抗するのは無理ゲーじゃないかと・・・。ルノー日産のように欧州は直3、日本は直4と丁寧に作り分けるくらいの配慮がないとユーザーは納得しないですよ。それでもカーメディアは日産を非難し、BMWを絶賛するからややこしいのですが・・・。

  さて「プレミアム・プリウス・クラス」こと300万円商戦は、2016年という増税前にどういう展開を見せるのでしょうか? 確実に消費税10%に間に合わないであろう次期レヴォーグは待たないで、この「Sスタイル」という選択もアリかもしれません。新シャシーを使う次期インプレッサを試してみてから決める!という現実路線だと「Sスタイル」は見送りになりそうですね・・・新シャシーはおそらく相当に具合が良さそうですから。


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ラベル:レヴォーグ
posted by のっち at 14:48| Comment(0) | レヴォーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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