スバルの場合は他メーカー供給あるいはコラボのクルマ以外は共通プラットフォームになると合わせて発表しているので、年内に発売されるインプレッサはともかく、新型プラットフォームが採用されるレガシィ、レヴォーグ、フォレスター、エクシーガ、XVの今後の販売にも大きな影響を及ぼしそうな気がします。フォレスターはともかく、ほかの4台はまだまだフルモデルチェンジ(あるいはデビュー)してから日が浅いですし、もしかしたらMQB採用時のVWゴルフの6→7のように、異例に短いスパンでの刷新もあるのかな・・・。
北米市場でのスバルはVWの一つ上である「8位」がほぼ定位置になりました。上には米ビッグ3と日系三大と韓国の主力7グループがあって、その下に位置するドイツ3強とマツダを相手にする中堅の争いで、頭一つ抜け出した格好です。グローバルで年産100万台が限界のスバルの能力なのに、60万台近くがアメリカであっさりと売れてしまってクルマが無い!!!という嬉しい悲鳴だそうで、年間10万台がやっとの日本市場が半減したとしても、全体で見ればちょうどいい「生産調整」なのかもしれません(国内ディーラーは堪ったもんじゃないが・・・)。
さて新型インプレッサがいよいよ公開されました。良くも悪くも・・・どこから見ても見事なほどにキープコンセプトで「スバルらしいデザイン」です。フロントマスクはもちろん、セダン(G4)だったらサイドのやや武骨な造形が、他の同クラス車とは違う、直線的なスタイリングで、これがとてもシャープに3BOX車の輪郭を示していて好印象です。他のメーカーですが、初代プリメーラや初期のアウディA4を彷彿させるなかなか力強い面構成!!!と肯定的に捉えていいんじゃないでしょうか・・・。セダン好きなら嫌いじゃないはず!!!
世界のセダンのトレンドは、個人的には全く気に喰わないのですが、どうやら5ドアハッチへと次第に移行しているようですね。北米でもパナメーラなどの高級セダンから、フュージョン(フォード)などのミドルサイズから、販売シェアでインプレッサよりも大きく先行するシビックやカローラなどのスモールセダンに至るまでリアにはハッチゲートを備えるクルマが増えています。その中でスバルは?レガシィもインプレッサも独立型トランクにこだわっているようです。
スバルには少々失礼な話ですが、インプレッサのハッチバックやG4のプロトモデルを見る限りでは、デザインに定評があるマツダ車に共通して見られるクルマ全体のデザインをバランス良く仕上げる手法を上手く取り入れてきているように感じます。自動車産業は一定規模のメーカーによる寡占状態が続くようになって、デザイナーの分業化が進み、さらに採用出来るデザインに対して、製造部門が許容できる範囲を守る事が課せられて、チーフデザイナーがデザインで発揮できる自由度は少なくなっているのだとか・・・。その制約を感じさせないようなデザインが作れるか?たった一人の職人が自分の理想のデザインのクルマを組み立てていた60年くらい前にさかのぼったクラシックカーのような、強い個性を持った一体感ができてきています。
マツダやスバルに限らず最近の日本車には、なかなか優れたデザインが多いです。まあ文句をつける人もいるでしょうけど、ヴェゼルもパッソ(新型)もとてもよくまとまってます。逆説的に言うと、日本市場ってのは世界のどこよりもデザインにウルサイですから、ある程度人気になるクルマはどれもデザインなんて良くて当たり前です。クルマが売れない!とか言われてますが、クルマ欲しいという人は非常に多いですし、クルマを乗り換えたくてウズウズしているんです。要はどれだけ多くの一目惚れして脇目を振らずに買いにいく人を獲得できるかですよ。お金の使い道に賢くなりすぎて預金しか増えない・・・日本の懐事情です。給料安いと嘆いている若い女性でも、結構メルセデスやBMWを新車で買えるくらいは貯金してますよ〜。
逆に第一印象がイマイチだと、やっぱり果てしなくダメですね。最近の例だと失礼ですが、アコード、ティアナ、レガシィあたりでしょうか。賢いユーザーに300万円払わせるという「覚悟」がデザインからは見られなかったです。もちろんドイツ車のセダンに比べれば割安で装備は充実してますよ!という主張はわからなくもないですが、ユーザーの感覚からするとそんな相対的な指標は何ら重要ではなく、300万円という絶対的な金額が全てなわけですよ。まずはセダンに乗りたい!!!と惹き込むことができるかどうかです。
ちょっとやらしい話になりますが、300万円をそれほど負担感なく出せる身分の人にとっては、アコードもティアナもレガシィもやっぱり退屈なクルマでしょうね。そしてちょっとがんばって300万円!という人にとっては、どうも「がんばる」動機が見つけられません。これに対してスバルのレヴォーグも300万円を前後した価格設定ですが、コチラはあっさり売れましたし、現在も人気が継続中です。確かにデビュー時からカッコ良かった!!!街中でだいぶ見慣れてきた今でも「レヴォーグが通ります!」といったオーラが出てます。
そんなレヴォーグの販売も2016年の後半以降はどのように推移していくのか興味深いです。秋にインプレッサが発売になって、その後にWRXと「セット」でレヴォーグの開発が進むとしたら、発売は2018年頃になりそうです。WRXもレヴォーグもインプレッサも現行モデルはNVHにおいてやや遅れをとっていて、いずれも試乗しましたが、スバル車に当たり前に期待される長距離ツアラーとしての適正がかなり低いことがわかってから、全く購入の対象にはなりませんでした(ウルサイし揺すられるとやっぱり長距離は疲れるよ〜・・・)。よって新型シャシーでは、その部分での大幅な向上が「約束」されているので、もしかしたら次は買うかも・・・とは思ってるんですけどね。
新型インプレッサ・特にセダンのデザインはいい!!!あとはNVHとハンドリングと2L&6MTですかね・・・。
デザイナーによる解説動画のリンクを付けておきます!!!
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