2016年07月06日

レヴォーグSTI 登場で再び火種が・・・スバルはいつも市場をかき回す。

  北米フラッグシップの「レガシィ」ではなく、欧州戦略モデルへと矛先が変わった「レヴォーグ」に手を加えることで「世界の頂」を目指すみたいですね〜・・・。いよいよ発売された「レヴォーグSTI」の開発意図は、スバルとSTIが力を合わせれば、中型車における世界最高水準のクルマが十分に作れるポテンシャルを示すことにあるようです。

  あまりにもあっさりと北米を攻略してしまったスバル。気がつけば北米依存度が60%にまで達します。その中でも容赦なく進む次期大統領選挙。どんな巨大コンツェルンからもきっちりと「みかじめ料」を取るのが連邦政府ですから、高々売り上げ200億USドル足らずの日本のメーカーといえども、いつ君子豹変で締めあげられても不思議ではないです。中国政府もアメリカ政府も本質的にはやる事は同じ・・・この2つに相次いで凹られたVWはまったくご愁傷様でしたが、巨大市場に巣食う「ダニ」は、予想以上に危険な立ち位置にいることがここ数年ですっかり広まりました。

  しばしば「アメリカリスク(依存度)」が高過ぎるのでは?と言われていたスバル(群馬)とホンダ(埼玉)の北関東勢ですが、リスクヘッジの為に「国内回帰」を模索するような「日本向け」のツアラーやサルーンが相次いで登場しました。これはなかなかの好勝負では!?と予感するのが、「レヴォーグSTI」と「アコードHV(後期モデル)」です。どちらも400万円前後ですから、いきなり日本市場で大ヒットするとは考えにくいですけども、ドイツ勢からかなりのユーザーを奪ったとされるスカイラインやアテンザXDも同じくらいの価格帯だったことを考えると、予想外の市場のリアクションも期待できそうな気が。

  「BMWから客が奪えるクルマ」・・・いわゆるカーメディアやクルマ好きが日本メーカーに望んで止まないツアラー/サルーンタイプのクルマです。ここ数年のスバルやホンダはこの手のクルマと、「ツアラー」というジャンルへの執着がやや薄かったです。もちろんいろいろな事情があったわけで経営状況が許さなかったのだから仕方がないことです。BMWに乗り味で勝てるクルマを作ることの優先度は低かったようで、それを示すかのように、数年前に発売した両者がこだわりを主張する「WRX S4」と「アコードHV(前期モデル)」は大誤算といえるくらいの惨憺たる結果でした。

  2007年頃からの世界的な不況で、次々と経営が行き詰まっていった大衆ブランドでは、「撤退」もしくは大規模な収支の見直しによる「再建」が進みました。スバルやホンダが目指したのは、世界最大の北米市場へコミットして活路を見いだすことで、それをやり切るだけの目算もあったようです。その一方で欧州ブランド(VW、フィアット、プジョー、ルノーなど)の多くはアメリカ市場の競争の厳しさから次々と撤退を表明し、比較的に市場をコントロールしやすい欧州市場に加えて中国、東欧、ロシアといった新興市場を目指しました。

  日本市場では「北米を目指したクルマ」と「欧州で争うクルマ」がどちらも導入されて、入り組んだ状態で販売されています。カーメディアでは大衆ブランドのどんなクルマでもイチャモン付けられる運命にあるわけですが、北米向けなら「デカ過ぎ」、欧州向けなら「カタ過ぎ」とか言っておけばいい!みたいなやっつけ仕事が横行している感じで、レビューの質がどんどん低下しています(もともと質とか語るレベルですらないですけども)。

  スバルはまだしも、ホンダはなかなかひどい扱いだったりします。「北米向け=日本では悪」といった先入観があって、まあ現実問題として物理的に車体もエンジンも大きすぎるという難点が無いこともないですけど、カーメディアに指摘されなくても誰でもわかるレベルのことです。もちろんそういう車両でも快適に使えるインフラが整ってきている地域もたくさんあるわけで、すべてが世田谷区とか杉並区のクソ狭い路地を基準で語られてしまっては・・・。

  それでもスバルやホンダのアメリカ向けモデルは、一般的に「大味な乗り味」というのは一理あると思います。ペダルもハンドルもアメリカ人の好みなのか?だいぶ緩めです。ただしスバル、ホンダ、トヨタ、日産と北米にそれなりのシェアを持っている日本の4メーカーがアメリカ人の趣味を誤解している?という説もあります(アメリカ人はスポーティなモデルも好き!)。実際に日本のメーカーはつい最近まで、北米だけはサイズ違いで設計するというスタンスを採っていました。オデッセイ、アコード、アテンザなど先代までは全て北米向けはワンサイズ大きいものが用意されていました。FFでV6を積んでますから、まあハンドリングは推して知るべしです。

  「北米サイズ」で設計されたクルマを、「待ったなし」でいきなり日本に持ち込んだのがスバルで、先代のレガシィB4やアウトバックはかなりのヒンシュクを買いました。スバルが開けてしまったパンドラの箱。それからまもなくホンダもアコードが北米サイズとなりました。そしてマツダも1周り遅れでアテンザのサイズが統一されました。日産だけは今も律儀に日本向けティアナと北米向けアルティマを分けてますけども、トヨタもカムリはそのままのサイズで展開しています。この一連の「北米サルーン化」によって日本のセダンがやたらと退屈になったのは間違いないです。

  自動ブレーキが一気に普及するきっかけとなったアイサイトもそうでしたけど、スバルの決断は市場に大きな変化を与えることが多いようです。そしてそんなお騒がせなスバルが今度は、「打倒BMW」を声高に掲げています。その大本命はスバル期待の新型シャシーなんでしょうけども、それよりも一足早く現行レヴォーグをベースとして、上質な乗り味を追求したツアラーをカタログモデルとして出してきました。

  発売以来大ヒットで快走したものの、新型プリウスの登場で、さすがに「一息」な感じのあるレヴォーグの国内販売ですが、それをテコ入れするにしても小規模な仕様変更だけでは全く反応しない恐れも・・・。そこで大風呂敷を広げての「欧州プレミアム打倒宣言」としてのレヴォーグSTIの追加のようです。インプレッサ派生のワゴンですから、欧州車でいえばメガーヌエステートや308SW、ゴルフヴォアリアントが、「BMW3erツーリングを越える!」と意気込むみたいなものです。

  WRX S4もレヴォーグも足が固めなのが災いして、クルマの揺すられ感が結構エグかったです。AWD&LSDがいけないのか?水平対抗エンジンがいけないのか?それともCVTがいけないのか? パフォーマンスの高さはわかるけども、まだまだ改良の余地が目一杯ある!これが2014年段階での印象です。とても「高級」とは言えない乗り味でした。430万円(S4)の見積もりはまだまだ値引きの余地がありそうでしたが、ルノー・メガーヌエステートGT(350万円)と同等まで下げてくれないと選ぶ理由がないな〜・・・。

  あれから2年経って年次改良も今回で2回目になりますから、おおよその欠点にはフォローがされているのでしょう。あのレヴォーグやS4の走りを洗練させていけば、アウディA4やBMW3erくらいにはなるかな? しかしBMWも小刻みな仕様変更をしていて、もう5年目になるF30系3erもまた進化していますから、果たしてレヴォーグSTIは狙い通りの「下剋上」を果たすのでしょうか!?それともホンダ・アコードHV(改良)が一気に大外からまくってくるのか!カーメディアに頼らずに試乗して白黒ハッキリさせてみたいなと思います。


「レヴォーグSTI試乗インプレ」

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posted by のっち at 00:49| Comment(0) | レヴォーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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