2016年04月26日

新型インプレッサ登場!!!

  おそらく誰もが感じるであろう素朴な疑問なんですけど、「年内に新型プラットフォームに刷新します!」なんて早々と発表してしまっても営業的には差し障りはないのでしょうか? しかも「欧州車を完全に凌駕」というくらいに強烈な自信を伺わせるプレスリリースまで出てしまってます。それを知りつつも現行モデルを選ぶ人は一体どういった心境なのか気になるところです。ユーザーによっては「新型はどうせ値上げされるよ!」といった悲観か、あるいは「今なら値引きを頑張ってくれるはず!」とかいった期待をするのでしょうか。

  スバルの場合は他メーカー供給あるいはコラボのクルマ以外は共通プラットフォームになると合わせて発表しているので、年内に発売されるインプレッサはともかく、新型プラットフォームが採用されるレガシィ、レヴォーグ、フォレスター、エクシーガ、XVの今後の販売にも大きな影響を及ぼしそうな気がします。フォレスターはともかく、ほかの4台はまだまだフルモデルチェンジ(あるいはデビュー)してから日が浅いですし、もしかしたらMQB採用時のVWゴルフの6→7のように、異例に短いスパンでの刷新もあるのかな・・・。

  北米市場でのスバルはVWの一つ上である「8位」がほぼ定位置になりました。上には米ビッグ3と日系三大と韓国の主力7グループがあって、その下に位置するドイツ3強とマツダを相手にする中堅の争いで、頭一つ抜け出した格好です。グローバルで年産100万台が限界のスバルの能力なのに、60万台近くがアメリカであっさりと売れてしまってクルマが無い!!!という嬉しい悲鳴だそうで、年間10万台がやっとの日本市場が半減したとしても、全体で見ればちょうどいい「生産調整」なのかもしれません(国内ディーラーは堪ったもんじゃないが・・・)。

  さて新型インプレッサがいよいよ公開されました。良くも悪くも・・・どこから見ても見事なほどにキープコンセプトで「スバルらしいデザイン」です。フロントマスクはもちろん、セダン(G4)だったらサイドのやや武骨な造形が、他の同クラス車とは違う、直線的なスタイリングで、これがとてもシャープに3BOX車の輪郭を示していて好印象です。他のメーカーですが、初代プリメーラや初期のアウディA4を彷彿させるなかなか力強い面構成!!!と肯定的に捉えていいんじゃないでしょうか・・・。セダン好きなら嫌いじゃないはず!!!

  世界のセダンのトレンドは、個人的には全く気に喰わないのですが、どうやら5ドアハッチへと次第に移行しているようですね。北米でもパナメーラなどの高級セダンから、フュージョン(フォード)などのミドルサイズから、販売シェアでインプレッサよりも大きく先行するシビックやカローラなどのスモールセダンに至るまでリアにはハッチゲートを備えるクルマが増えています。その中でスバルは?レガシィもインプレッサも独立型トランクにこだわっているようです。

  スバルには少々失礼な話ですが、インプレッサのハッチバックやG4のプロトモデルを見る限りでは、デザインに定評があるマツダ車に共通して見られるクルマ全体のデザインをバランス良く仕上げる手法を上手く取り入れてきているように感じます。自動車産業は一定規模のメーカーによる寡占状態が続くようになって、デザイナーの分業化が進み、さらに採用出来るデザインに対して、製造部門が許容できる範囲を守る事が課せられて、チーフデザイナーがデザインで発揮できる自由度は少なくなっているのだとか・・・。その制約を感じさせないようなデザインが作れるか?たった一人の職人が自分の理想のデザインのクルマを組み立てていた60年くらい前にさかのぼったクラシックカーのような、強い個性を持った一体感ができてきています。

  マツダやスバルに限らず最近の日本車には、なかなか優れたデザインが多いです。まあ文句をつける人もいるでしょうけど、ヴェゼルもパッソ(新型)もとてもよくまとまってます。逆説的に言うと、日本市場ってのは世界のどこよりもデザインにウルサイですから、ある程度人気になるクルマはどれもデザインなんて良くて当たり前です。クルマが売れない!とか言われてますが、クルマ欲しいという人は非常に多いですし、クルマを乗り換えたくてウズウズしているんです。要はどれだけ多くの一目惚れして脇目を振らずに買いにいく人を獲得できるかですよ。お金の使い道に賢くなりすぎて預金しか増えない・・・日本の懐事情です。給料安いと嘆いている若い女性でも、結構メルセデスやBMWを新車で買えるくらいは貯金してますよ〜。

  逆に第一印象がイマイチだと、やっぱり果てしなくダメですね。最近の例だと失礼ですが、アコード、ティアナ、レガシィあたりでしょうか。賢いユーザーに300万円払わせるという「覚悟」がデザインからは見られなかったです。もちろんドイツ車のセダンに比べれば割安で装備は充実してますよ!という主張はわからなくもないですが、ユーザーの感覚からするとそんな相対的な指標は何ら重要ではなく、300万円という絶対的な金額が全てなわけですよ。まずはセダンに乗りたい!!!と惹き込むことができるかどうかです。

  ちょっとやらしい話になりますが、300万円をそれほど負担感なく出せる身分の人にとっては、アコードもティアナもレガシィもやっぱり退屈なクルマでしょうね。そしてちょっとがんばって300万円!という人にとっては、どうも「がんばる」動機が見つけられません。これに対してスバルのレヴォーグも300万円を前後した価格設定ですが、コチラはあっさり売れましたし、現在も人気が継続中です。確かにデビュー時からカッコ良かった!!!街中でだいぶ見慣れてきた今でも「レヴォーグが通ります!」といったオーラが出てます。

  そんなレヴォーグの販売も2016年の後半以降はどのように推移していくのか興味深いです。秋にインプレッサが発売になって、その後にWRXと「セット」でレヴォーグの開発が進むとしたら、発売は2018年頃になりそうです。WRXもレヴォーグもインプレッサも現行モデルはNVHにおいてやや遅れをとっていて、いずれも試乗しましたが、スバル車に当たり前に期待される長距離ツアラーとしての適正がかなり低いことがわかってから、全く購入の対象にはなりませんでした(ウルサイし揺すられるとやっぱり長距離は疲れるよ〜・・・)。よって新型シャシーでは、その部分での大幅な向上が「約束」されているので、もしかしたら次は買うかも・・・とは思ってるんですけどね。

新型インプレッサ・特にセダンのデザインはいい!!!あとはNVHとハンドリングと2L&6MTですかね・・・。
デザイナーによる解説動画のリンクを付けておきます!!!


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posted by のっち at 13:29| Comment(0) | インプレッサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月17日

インプレッサ始動へのカウントダウン

  BRZ以外のスバル生産車で共通で使われる新しいプラットフォームで先陣を切るのは、ブランドのボトムを担うインプレッサになるそうです。インプレッサもレガシィも部品の大小こそあれ、基本的な設計は同じになる・・・それならば、手頃な価格のインプレッサを買っておけばいいんじゃないの?と思ってしまいますが、スバルの車種展開にも何らかの変更はあるのでしょうか?

  Bセグ(コンパクト)とEセグ(フルサイズ)は作らない。その間の狭い領域だけで勝負する世界で唯一のメーカーになることをスバルは宣言しています。Cセグ(インプレッサ)、CDセグ(レヴォーグ)、DEセグ(レガシィ)の3グレード制ではありますが、競合するマツダ・アテンザにはレヴォーグ&レガシィB4の2台で対抗します。それで優位に戦えているかと言えば、どうでしょうか・・・ディーゼルで攻勢をかけるマツダ相手ですから善戦といってもいいかもしれません。

  特にデビュー以来八面六臂の活躍で、スバルの日本販売を支えてきたレヴォーグは、本来マツダ・スバルに望まれている「GTカー」としての高い適性を備えていて、それをCDセグのサイズで出したことは素晴らしいことです。英国では1.6L車に2万7500ポンド(500万円!)の価格が付けられていて、ほぼBMW3シリーズと同じ価格にもかかわらず「非常にいいクルマだ!」と辛口カーメディアから賞賛を受けています。ただしネーミングセンスがまるでない!とも言われてますが・・・。

  欧州で成功した「GTカー」設計の日本車は、これまでにもいくつかありました。「ユーロR」が設定された6代目アコードや、トヨタ・アルテッツァ、マツダ626、マツダ・アテンザなどがありますけども、やはりスバルといえばレガシィ・ステーションワゴンですね。ワゴンの世界最速記録を次々と打ち立てました。欧州からもレガシィSWを潰せ!とばかりに「アウディRS4アバント」というモンスターワゴンが登場したりしました・・・。「アウトウニオン」と「中島飛行機」の直接対決!あるいは「三菱」エボワゴンも参戦!なんて煽りも当時はあったようです。

  レヴォーグで欧州や日本に残る「GTワゴン」需要を拾うという企画は、非常に素晴らしいものだったと思いますし、日本で「Cワゴン」や「3ツーリング」を見事に駆逐したように、欧州でも大暴れして再び「GTワゴン」というジャンルに火をつけることができればいいですね。また北米向けの「クルーズカー」として開発されているアウトバックとB4のレガシィ2車種は、アメリカ人が好む?「動くリビング」を目指して内装を中心とした装備の充実を目指しているのがよくわかります。

  日本においてなかなか正しい評価が貰えていない歯痒い状況のスバルの現行モデルですが、「使い道」さえしっかり理解して選べばかなり良いお買い物になるはずです。嘆かわしいことに、最近は「クルマ」と「オモチャ」の区別がつかない大人が多くなっているとか・・・。GTカー=クルマで、スポーツカー=オモチャですよ!とか言ってみてもピンとくる大人が少ない。5時間以上乗っても大丈夫なのが「GTカー」で、2時間以上乗りたくないのが「スポーツカー」・・・これが私なりの判断基準です。・・・「WRX S4」で5時間耐えられますか? まあなんとか。

  レヴォーグは「GTカー」、レガシィは「クルーズカー」・・・それじゃあインプレッサは? スバルのブランド内では「ウェアラブル・カー」に分類されるのかな。近距離の買い物・送迎・100km圏内のドライブで使う「下駄カー」ですね。それでも「スバル」のウェアラブルカーですから、トヨタやホンダのそれとは全然クオリティが違う!!!BMWやメルセデスのウェアラブルカーと同水準の高級品です!(BMWやメルセデスにはマイクロサイズのi3やスマートがあるけど)。

  レヴォーグやレガシィで着実にクルマの用途を意識した成長を見せたスバルですから、新しいインプレッサでも「究極のウエアラブル・カー」を意識した新機軸の装備が付くはずです。一口に言ってもこのクラスのクルマに与えられている付加価値は多岐に渡ります。

@燃費・・・ストロングHVを装備したプリウス、アクア、フィットHVなど。
A運転感覚・・・MT車を用意アクセラ、インプレッサ、オーリス、ゴルフGTI、スイスポ、DS3など
B個性的デザイン・・・キューブ、ミニ、ザビートル、フィアット500
Cオープンエア・・・ゴルフ、ザビートル、TT、2シリーズクーペ、DS3、フィアット500、ミニなど
Dクロスオーバー化・・・ジューク、CX3、キャプチャー、X1など

これまでのスバルではあまり強調されてこなかったB、C辺りに踏み込んだりすれば、思わぬ大ヒットにつながるかも!と無責任なことを考えてしまいます。BRZのオープン化にも否定的なスバルだから「無い」かな・・・。スバルにとって「個性的デザイン」で「オープンエア」には忘れられないトラウマがあるようでして、そのクルマとは「ヴィヴィオTトップ」といいます。1993年にスバルの創立40周年を記念して3000台限定で発売されたレアなモデルです。先日も700万円近くするS207をたった1日で400台完売させたスバルですから、このヴィヴィオTトップも半月くらいで完売かと思いきや・・・半年経ってもかなり売れ残ったそうです。価格は113万円だったのに〜・・・。

  新型インプレッサが、この「黒歴史」を乗り越えてBCをまとったスペシャルティで女子ウケ抜群で、日産の中村さんもビックリの「かわいい」系インプレッサに大変身!!!そんなドラスティックな展開になったならば・・・。インプレッサ派生のクロスオーバー「XV」は、ホイールデザインが鮮烈でブランド内では異色の「オシャレ」系でしたから、可能性はゼロではない!? 今のスバルならば・・・スモーキー・ローズピンクのメタリックなボデーカラーに、コンプリートカーのような色違いのアクセントパーツを配し、スバル自社開発の電動ターボと揶揄されるHVシステムに、まさかのMTを組み合わせ、「XV」のミディアムな車高のボデーに、タルガトップのパネル収納式ルーフを備えた・・・そんなクルマが期待できないこともないです。意外とアクティブな女性ユーザーから支持されるスバルですから、これらをスマートにやり遂げればいよいよ日本でも「一皮むける」のではないでしょうか? そしてスバルの理念に忠実に・・・他のブランドに対して「ウェアラブルカーの正常進化」を教唆する素晴らしいモデルになるでしょう!?


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posted by のっち at 03:48| Comment(0) | インプレッサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月26日

スバル・インプレッサG4 ベースグレードの現実

  1.6LのインプレッサG4から多くのユーザーは「何」を受け取るのか? スバルを語る文脈でしばしば看過されているポイントはこれだ。スバルのクルマ作りは総じてレベルは高いのだけど、突き詰めると「か細い」と前々から感じてはいました。クルマにとって何が重要かということを自ら定義することは大事だと思うのですが、スバルの場合はそれが他と比べて極端すぎます。

  もし1.6Lのオーナーがディーラーに行って、「やっぱりパワーが・・・」みたいなことを口走ったとしたらかなり勇気がありますね。まあディーラーの人が口に出すかどうかわかりませんが、心の中では確実に「はぁっ?」でしょうね。スバルにとっては、ブランドで最安値のクルマでどっからどう見ても素人にはお買い得に見えます。それなのに大して売れない!アイサイトが出てからは、完全に仲間外れにされた恰好ですし・・・。

  スバルはこのクルマを「客寄せパンダ」としか見てなかったのか!ということがアイサイト搭載除外で明確になったわけです。G4にはDITエンジンは一切積まれないから、排気不良による出力ダウンは考えなくていいはずなのに、あのムダに高い車高も恨めしいですね。スバルはあの「全身ブランド尽くめ」のWRX STIのことで頭がいっぱいのようです。せめてもの慰めは内装が先代よりも格段に良くなったことです。

  一体?スバルはブレンボとビルシュタイン抜きで一体どれだけのクルマが作れるというの?俗に「スペック大好き=スバリスト」と陰口を叩かれたりしているくらいなので、ファンには概ね公表。よってブランドを取り巻く需給関係はそれなりに良好なのかもしれませんが・・・。WRCの参戦も終わってしばらく経つのに、ラリー病が治らないようです。世界中のあらゆるコースで競うWRCのベースカーという看板は、道路事情が悪い地域では喜ばれますけど、道路が綺麗すぎる日本では「諸刃の剣」ですね。

  改造・修理がしやすいように、余裕を持たせてエンジンルームや足回りに余裕があって、不幸にも精緻さで世界の頂点を行く日本のライバル車とはちょっと違う味です。高出力なクルマをリーズナブルに買いたければスバルディーラーにダッシュしますが、ボトムのノーマルグレードには魅力がないと感じます。コレって実は三菱でも同じことが起きてるんですよね。今でこそ売れてますが日産とホンダがCセグを日本で売らないから、インプレッサ全体がアイサイトに押されて人気になっているだけだと思っています。

  スバルのブランド志向はどうやら作る側・売る側に大きな要因があるように思います。彼らはどうしても欧州車が大好きなのが隠せない様子。今、スバルは空前のバブル的状況になっていますが、絶好調の北米販売だけでなく日本でも同様に生産が追いつかないらしい。この「特需」の裏にもおそらく理由があって、どうやらそれはバブルの頃に大量に売れた高級輸入車が次々と寿命を迎え、その乗り換えにスバルが指名されるケースが多いのだとか。

  輸入車でも比較的廉価なVWに買い換え需要で人気が集まっているようだが、それでは満足できない層がスバルへ流れる。スバル期待の新型車レヴォーグも密かに取込みを狙っているのはBMWやメルセデスのワゴンユーザーなのだそうだ。すでに5シリーズワゴンの見積もりの研修とかやっているらしい。ディーラーにBMWで乗り付けようものなら、甘い言葉が乱れ飛ぶんでしょうね・・・「523はいわゆる・・・なんですよ!」みたいな。5シリーズとは実にいいところに目を付けたとは思いますが・・・。そもそもBMWのオーナーが他のメーカーに移ってまでワゴンを選択するか?という疑問はあるのだけど・・・。

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posted by のっち at 06:28| Comment(0) | インプレッサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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